6時40分に起きる。
コーヒーを入れる。
コーヒーを飲みながら、ネットを見る。
そのあと、
玄米ご飯と味噌汁の簡単な朝食を取り、
マラソン大会に向かった。
今日は20キロマラソンだった。
久しぶりにランニングウォッチをした。
先週の30キロマラソンの教訓から、
無理をしないよう、
ペースを上げすぎないようするためだ。
1キロ5分30秒から5分40秒のペースを刻む。
このくらいのペースで20キロなら、
楽に気持ち良く完走できるだろうと思っていたのだけど、
5キロほど走ったところで、
右のふくらはぎが痛み始めた。
木曜日に、防水ランニングシューズを履いて、
ジョギングをしていたときにも感じた痛みだった。
そのときはすぐに歩いたから、
そのあと、痛みが生じることはなかった。
「ま、走っているうちに、
痛みは去るだろう」
そんな軽い気持ちで走り続けていたのだけど、
痛みはなかなか去らなかった。
とはいえ、
すごく痛むというわけでもない。
気にしなければ、
20キロ完走も可能な程度の痛みだ。
「でも、無理して、
しばらく、走れなくなったらやだな。
リタイヤするか。
でも、できたら、20キロ走りたいな」
と迷いながら、走っていたら、
7キロくらいのところで、
今度は、急にお腹が痛み始め、
トイレに行きたくなってきた。
「ま、まずい。
トイレがあるところまで、あと3キロあるぞ。
ま、間に合うのか?」
マラソン大会に参加するようになってから、
5年くらい経つけど、
走っているときに、お腹が痛くなったことは、
初めてのことである。
「も、もらしたらどうしよう」
焦る。
走るスピードを上げようかと思ったのだけど、
お腹への刺激が増えることで、
便意が増すのではないかと思い、スピードは上げられない。
「やばい。トイレまで持つのか」
襲い来る便意と不安から、
顔からは血の気が引いてくる。
右足のふくらはぎも、痛みが増しくる。
「もってくれ。なんとか、もってくれ」
苦悶に顔をゆがめさせながら、必死の形相で走る。
傍から見れば、
一生懸命走っているように見えただろう。
「あー。そろそろ、まじやばいかも」
そう思い、
もらしたあと、どうしようかと考え始めたところ、
9キロ地点に、スタッフのおじいさんがいたので、
もしかしたら、近くにトイレがあるのではないかと、
一抹の期待を抱きながら、立ち止まり、
「すみません。ここから一番近い、トイレってどこですか?」
と聞くと、
「あー。そこの階段を上って、すぐのところにあるよ」
と教えてくれた。
そこか!そこならまだ間に合いそうだ!
スタッフのおじいさんにお礼を言うと、
ダッシュでトイレに駆け込んだ。ギリギリセーフであった。
用を足したあと、
1キロゆっくり走り、そこでリタイヤした。
リタイヤなんて何年ぶりだろうか。
あまり、思い出せない。
でも、悔しいという気持ちはなく、
むしろ、すがすがしい気持ちになった。
帰り、「揚州商人」に寄って、
ラーメンを注文したのだけど、
細麺で頼んだはずが、太麺で出てきた。
「あの~。細麺で頼んだんですけど」
「え!そうでしたか!
申し訳ございません!すぐにまた作り直してきます!」
「あ。でも、大丈夫です。それでいいです」
「え?ほんとに大丈夫ですか?作り直しますよ」
「ほんとに大丈夫です」
そう言って太麺で食べたけど、
やっぱり、細麺のほうが良かったな、そう思った。