日常日記

店長の日常

8時に起きる。

起きてから、広島に住んでいるメル友にメールを送った。メル友は40代の主婦。先日、彼女から、メールで、帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)という作家の言葉という「生者が死者の遺志に思いを馳せている限り、歴史は歪まない」って、どういう意味に受け取る?と聞かれた。帚木蓬生という作家は名前は知っているだけで、本は読んだことがなく、名前の読み方も知らなかったのだけど、Wikipediaをみたら、帚木蓬生という名前の由来は、「源氏物語」から来ていると書いてあって、偶然の一致にちょっとびっくりした。彼女には、ぼくが源氏物語にいま興味を持っていることは伝えていなかった。だから、彼女には、いまちょうど源氏物語に興味を持っていることを伝え、彼女の質問には、「「源氏物語」や「平家物語」といった古典(死者の遺志)を読んで、それを一人一人が、自分の生活に生かしていけば、悲劇の歴史は繰り返されることはない、ということなんじゃないかな」って答えた。

メールを送ったあと、源氏物語の「帚木の巻」にある「雨夜の品定め」の現代語訳を読んだ。「雨夜の品定め」は、光源氏を含む男4人で、理想の女性論を繰り広げるのだけど、内容はさることながら、現代語訳のタイトル付けからして最高だった。

 

(一)頭中将、女を語る
(ニ)左馬頭、大いに女を語る
(三)左馬頭、重ねて大いに女を語る
(四)左馬頭、芸能にことよせて女を語る
(五)左馬頭、若き日の恋愛話ー指喰いの女
(六)左馬頭、重ねて若き日の恋愛話ー浮気な女
(七)頭中将、昔の恋愛話ー常夏の花
(八)式部丞の若き日の恋愛話ー学問好きの女
(九)左馬頭による総論ー風流ぶらず、でしゃばらない女がよい

 

「雨夜の品定め」では、女について語りまくっているのだけど、本文の最後の一文で大笑いした。

 

話はどの方面に行き着くともなく、しまいにはけしからぬ話などになって、夜をお明かしになった。

 

けしからぬ話だなんて、大体、想像がつくな。

 

「雨夜の品定め」を読み終わると、空腹を感じた。一人で食べるのもなんだから、元スタッフ「ベティ」に、「ランチしない?」とラインを送ったところ、ベティは更年期障害で体調を崩しており、昼間は外出ができないということだった。「うなぎ弁当でも買って行こうか?」と聞いたら、「食欲もない」ということだった。でも、横浜橋商店街にある、「半熟アジフライ」が美味しいお店を紹介してもらい、そこに一人で行くことにした。グルメなベティがおすすめするだけあって「半熟アジフライ」はとても美味しかった。

食べ終わってから、久しぶりに個人書店の「象の旅」に行った。まだ源氏物語に興味を持つ前に、源氏物語を世界で初めて英訳したアーサー・ウェイリーの源氏物語が置いてあるのをみたことがあった。装丁がすごく綺麗で、超分厚い本が4冊並んでいたから、とても目立っていた。アーサー・ウェイリーは、島内景二の「源氏物語ものがたり」にも出てくる。買おうかなと思ったのだけど、分厚すぎるからやめた。でも、kindleで買う予定。「象の旅」では、藤岡拓太郎の漫画「夏が止まらない」を買った。レジで、店主さんに「あそこに置いてある源氏物語は読まれたのですか?」と聞いたところ、「まだなんです。来年の大河ドラマが始まるまでには読もうと思っているのですが、なかなか手が回らず・・・」と言われ、(え?来年の大河ドラマ?)となった。「来年の大河ドラマって源氏物語なんですか?」と聞いたら、「そうなんです」といわれ、「なんと!」と思った。(※正確には、紫式部の生涯を描いた大河ドラマだった)。それで、店主さんに、いま源氏物語にハマっていることや「源氏物語ものがたり」について語ったところ、「へー。その本、面白そうですね」と、興味を持ってくれて、「お店に置いてみます」とまで言ってくださった。