日常日記

店長の日常

7時30分に起きる。久しぶりに早起きできた。昨晩は深夜0時過ぎに床に着き、オーディブルで夏目漱石の「硝子戸の中」を聞いていたら、知らず知らずのうちに寝てしまった。「硝子戸の中」は漱石晩年のエッセイである。漱石が小説家志望の女性に対して指導をするくだりがとても興味深かった。漱石は、「これは(わたしたちが話をするのは)ただ現状維持を目的として、上滑りな円滑を主位に置く社交とは全く別物です」と、その女性に対して言う。つまり、お互い本音で話さないなら、よい小説など書けるようになるはずがなく、自分たちが話す意味もないということである。だから漱石は、「ずいぶん手ひどいことを言ってしまうかもしれないけど、決して、怒ってくれるな」と言うのだ。(漱石はどんなことをその女性に対して言ったのだろうか?)と強い好奇心を覚えたのだけど、残念ながら、本の中では、言及されていなかった。プライバシーに配慮したのだろうか。


起きて、掃除をしたあと、ジョギングに出かけた。午前中に走るのは久しぶりだったけど、とても気持ちよかった。走りながら、「夜の部は、ランニング教室をやろうかな」などいう考えが思い浮かんだ。ずっと前から、夜の部の空いている時間のエイジャをランニングステーションにしようかというアイデアは持っており、一度は、予約カレンダーにその旨を書いたこともあったのだけど、すぐに思い直して、削除してしまった。「でも、今度は本当にやってみようか?料金は2時間8000円にしよう」などと思った。運動について何の資格もない自分が、2時間8000円だなんて、ぼったくりにしか思えないけど、なんとなく、この値段であれば、奇特な方から、数ヶ月に1回くらいお申し込みがあるかもしれないと思った。実際に外で走るのは90分で、あとの30分は走る前の準備と、走り終わったあと、シャワーを浴びたりと、帰るための準備をする時間にしようか、ランニング教室のお客さんは、エイジャ会員さん限定にして、1人、もしくはカップルさんのみにして、1人でもカップルさんでも、料金は同じにしてみるか。ちなみに、「ランニング教室」と謳ってはいるけど、ぼくが走り方を教えるわけではない。ただ一緒に走ったり、歩いたりして、走ることの気持ち良さを実感してもらおうというだけの趣旨である。どうだろうか?

お店に戻り、ご飯を食べたあと、「馬車道通り」の近くにある「中小企業共済会館」で開催している「本は港」というイベントに行った。Amazonなどのネットショップや電子書籍の普及により、本屋さんは苦境に立たされ、潰れる本屋さんが増えているけど、その一方で、最近、個人書店の開店が増えているようなのである。この「本は港」というイベントは、神奈川県内で個人書店をオープンしている本屋さんが集うイベントであった。11時オープンで、11時20分頃に着いたら、行列ができていて、びっくりした。そんな人気のあるイベントだとは思っていなかった。会場に入るまで、20分以上かかった。

本は2冊買った。「本屋、ひらく」(本の雑誌編集部)と「妾と愛人のフェミニズム(近・現代の一夫一婦の裏面史)」(石島亜由美)。ほかに、「まちを耕す本屋さん」、「書店と冒険」という小冊子を2冊買った。最近は、ちゃんと読めもしないのに、本を買いすぎている。でも、本はちゃんと読もうとしないことが大切だと思っている。ちゃんと読もうとしたら、ぼくには、本なんて、到底読めない。