先日、久しぶりに石田衣良の小説「娼年」を読みました。娼年は男が女に体を売るという話です。この本が出版されたのは2001年の7月で、エイジャをオープンする1年前のことでした。「池袋ウエストゲートパーク」が好きだったわたしは、早速、買って読んだのですが、そこに描かれている女性の多種多様な欲望のあり方にとても感銘を受けました。今回、20数年ぶりに読んだわけですが、やはり、とても面白かったです。「娼年」は、石田衣良の最高傑作という人も多いようですが、それも分かるような気がします。「池袋ウエストゲートパーク」は、3作目くらいまではとても面白かったのですが、それ以降はあまり面白く感じられなくなって、以来、石田衣良を読むのはやめてしまいました。それはともかく、娼年の中には、次のような一節があります。
どの男の子もこの仕事を始めてしばらくすると、女性の欲望があまりにも幅が広くて予測不能なので圧倒されてしまう。なかには怖くなってパニックを起こす子もいる。ある意味でここが仕事の分かれ目かもしれない。伸びていく子と萎んでしまう子。リョウくんはどう感じているの
長い間、女性は男性よりも、性欲は少ないと信じられてきたように思いますが、どうして、女性の性欲が抑圧されてきたのかと考えると、昔は、今よりもずっと、男性が優位な男社会でしたから、女性の性欲を全面的に認めることは、意識的にしろ、無意識的にしろ、抵抗があったからなのではないかと思ったりします。あと、男性優位な社会において、男性側の勝手な理想像を女性は押し付けられてきたという面もあるように思います。今でこそ、女性アイドルが下ネタをいうのは広く受け入れられてきたように思いますが、これは一昔前には考えられないことでしたよね。
でも、女性の性が解放されればされるほど、それに反比例して、男性の性は縮小していっているようにも思われます。実際、20数年前に比べて、ED患者数は2倍になっているという統計もあるようです。
本来、女性の性が解放されることは、男性にとってはそれだけセックスチャンスが増えるわけですから、歓迎すべきことであるはずなのに、こんな状況です。
また、こんな記事もあります。
この記事によりますと、
結婚後、5年経つと、セックスレスになる夫婦が大多数のようです。
って、
こんな風に書くと、
世の男性がEDになったり、セックスレスが増えたりした原因は、
女性の性が解放されたからだと言わんばかりで、
女性を責めているような印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、
女性がセックスにおいてより気持ちよくなりたいと願うのは、
当然のことだと思いますし、
これは歴史的必然であると思います。
わたしが思うのは、
これからの時代、
これまでとは違った新しいセックス観というものが必要になってくるのではないかということであります。
この点については、
次回書けたらいいなと思います。