日常日記

店長の日常

目を覚まし、アレクサに「今何時?」と聞く。「午後0時18分」とアレクサが答える。開店時間まであと40分しかない。慌てて起き、掃除機をかけたり、トイレの掃除をしたり、洗濯をしたりして、お店をオープンした。シャワーを浴びる時間はなかった。
昨晩は、なかなか寝付かれなかった。朝も昼も夕方も夜も、ゴロゴロしていたのだから当たり前だった。それで、深夜3時に「セックル」に行った。お店に入ると、「え?こんな時間に?」とマスターには驚かれた。深夜3時にセックルに行くなんて、何年ぶりだろうか?10年以上ぶりのような気がする。お客さんは誰もいないかと思っていたのだけど、ドアを開けると、先客が1名いた。50代半ばくらいと思われる男性が一人、べろんべろんに酔っ払っていて、カウンターに突っ伏したまま、マスターにくだをまいていた。まるで、芝居をしているかのごとく、典型的、模範的な酔っ払いの姿だった。ぼくは、不思議とこういう人に対して、親近感のような覚えてしまう。決して、嫌いではない。エイジャでやられるとほかのお客さまに対して迷惑になってしまうから、ご注意させていただくことになってしまうけど、でも、個人的には、酔っ払いは決して嫌いではない。酒好きの人は基本的に大好きだ。面白い人が多いような気がする。ただ、お酒を飲んで、集団で騒いでいるような人たちは苦手。お店に入って、そういう人たちがいると、すぐに帰りたくなってしまう。
昨日の酔っ払いの男性は、ぼくが入店し、10分くらいで帰ってしまった。マスターが言うには、何軒か飲み歩いて、最後にセックルに来たということだった。ぼくよりも年上の男性だと思っていたけど、実際には、40代前半ということだった。マスターは、「2軒目くらいでうちにきて、それで酔っ払うのならまだよいんですが、散々、飲み歩いて、最後に来られるのは、困るんですよね」と愚痴をこぼした。マスターのその感想は、ほとんどの人が抱くであろう当然の感想だと思った。
その後、マスターとは、主に、マスターの「結婚生活」について話した。マスターは、横浜に来て20年以上になり、その間、何度か同棲をしたこともあったようだけど、自分の住んでいる家を出て、相手の家に住むというのは初めての経験のようで、それで少し戸惑っているところがあるようだった。洗濯の仕方ひとつとっても、マスターと奥さんとの間では、微妙に意見が異なるらしく、マスターが「洗濯は自分がやるよ」と言っても、奥さんは、男の人に洗濯してもらうことに抵抗があるらしかった。ぼくは、自分が結婚もしたことないのに、「マスター、結婚というものは修行ですよ。試練ですよ」と言った。そんな話を続けていたら、時間はあっという間に過ぎていき、気がついたら、朝の5時前だった。お会計をしてもらい(3000円弱であった)、外に出たら、外はすっかり明るくなっていた。ぼくは、誰もいないお店に戻ると、すぐに布団の上に横になり、「我が輩は猫である」を聴きながら、眠りについた。