日常日記

店長の日常

8時40分に起きる。体重57,9キロ、体脂肪率15パーセント。
昨日は、営業終了後、横になりながら、夏目漱石の「行人」を聴いた。すごく面白くて、引き込まれる。妻の気持ちがよく分からないというお兄さんから、弟は頼まれて、お兄さんの妻と和歌山に旅行に行ってきてくれと頼まれる。最初は、そんなことはしたくないと弟は、お兄さんの頼みを拒絶するのだけど、しつこく頼まれたあげく、結局は承諾する。弟が、お兄さんからの無理難題を承諾するに至る展開は、とても自然で、夏目漱石はすごいと思った。登場人物、一人一人の人情の機微がとても上手に描かれながら、物語は展開していく。物語のテーマとしては、人間が生きていく上で、誰しもが経験しなければならない根源的な苦悩というものが扱われているように思うのだけど、日常における人と人とのやり取りの中で生まれる笑いやユーモアも随所にちりばめられていて、何度も声をあげて笑ってしまった。面白いから、昨日は4時間近く聴いてしまった。でも、横になってオーディオブックを聴いていると、たびたび眠気に襲われるから、聴きながら何度も寝てしまう。そのたびに、起きると、寝てしまう前までに聴いていた箇所に戻らねばならなかった。でも、この年で夏目漱石にハマるとは思いもしなかった。一生、夏目漱石の本は読まないような気がしていた。でも、夏目漱石の本をまったく読んだことがないというわけではなかった。高校一年の時、学校の読書感想文の課題として、夏目漱石の「こころ」が出された。ぼくは、提出期限のぎりぎりまで読んでおらず、まずいと思い、当時働いていた、バイト先の休憩所で読んだことがあった。読み始めは、やっぱり退屈だなあと思いながら読み進めていたのだけど、途中から、「ん?なんかこれ面白いかも」と思ったことをよく覚えている。でも、結局、全部は読まなかった。読書感想文をちゃんと出したかどうかも記憶にない。ほかにやりたいことはたくさんあったということなんだろうな。ぼくには、小学生とか中学生とか高校生とかのころに、もっとたくさんの本を読んでおきたかったという思いがある。ぼくが子供の頃に読んでいた本とは、江戸川乱歩、赤川次郎、西村京太郎などの推理小説ばかりだった。小学生の頃、江戸川乱歩の「怪人二十面相」シリーズがクラスではやり、ぼくも夢中になって読んだ。1日で2冊読んでしまったことさえあった。でもあのシリーズは、ある程度読むと、途中で誰が怪人二十面相なのか、子供のぼくでもすぐに分かるようになり、トリックも同じトリックを使っていたりするから、「ああ、またこのトリックか」となり、だんだんとつまらなくなり、読むのをやめてしまった。