日常日記

店長の日常

8時20分に起きる。体重57.1キロ、体脂肪率11.7%。

一昨日、昨日と丹沢に行っていた。蛭が岳山荘に泊まった。蛭が岳山荘に泊まるは今回で6回目である。蛭ヶ岳山荘に到着する手前の休憩所で、何か、山には到底ふさわしからざるものをみつけた。近づいてみるとムチムチとした女性の写真集であった。期待に胸を膨らませ、開いてみたら、セミヌード写真集であった。ちょっとがっかりした。しかし、「どうしてこんなところにセミヌード写真集が置いてあるのだろう」としばしの間、物思いにふけった。誰が何のためにこんな山奥に写真集を持ってきて、そして置いていったのか。なぜオールヌードではなくセミヌードだったのか。色々と考えたけれど、もちろん答えは出なかった。しかし、エロから逃れて山にやってきたというのに、ここでエロに捉えられるとは思いもしなかった。でもこれが僕の人生なのだろうと思った。
蛭ヶ岳山荘に入ると、すでに1人のお客さんが到着していた。宿泊者名簿を見ると54歳の男性で愛知県からきていた。山小屋の管理人さんが言うには、今日の宿泊客は僕とその男性の2人だけとのことだった。真冬の平日にこんなところまで来る人はそうそういないのだろうなと思った。管理人さんに、中を案内されると、僕は、すぐに布団の上に横になった。2時間ほど横になっただろうか。起きたときには、すっかり疲れは取れていた。
夕飯の時間に、愛知からきていたその男性と2人で話した。その男性は1泊2食付きだったけど、僕は素泊まりだったので、ラーメンを作って食べた。その男性が丹沢に来るのは2回目で、以前は娘さんときたということだった。「父と娘で山登りだなんてよいですね。娘さんは今でも山に登られているのですか」と聞いたところ、「実は娘は亡くなったんです。その供養のために山に登っているところもあるんです」ということだった。想像もしなかった返事に、どう答えてよいのか戸惑ってしまった。「もしかして、山で亡くなられたんですか」と聞いたら、「いやそういうわけでは無いです。いろいろあって」ということだった。その後、僕が黙っていると、その男性は、「なんか、すみません」と謝ってこられたので、僕も「気にされないでください。こちらのほうこそ、何気なく聞いてしまい、すみませんでした」と謝った。
その後、管理人さんが合流し、3人でいろいろな話をした。マナーの悪い登山客やトレイルランナーの人の話を色々と聞いた。登山歴が短い人の中には、山小屋を旅館や売店と勘違いしている人が多くて、ストレスが溜まると愚痴をこぼしていた。管理人さんの話を聞き、山小屋は、たくさんの人の善意によって成り立っているということがよくわかった。知識では知っていたけれども、山小屋の管理人さんから直接話を聞けたことで、山小屋の存在のありがたみを、より深く実感することができた。
次の日は、僕は5時に出発する予定だったのだけど、3時に目が覚めてしまい、その後、眠れそうになかったから、そのまま1人で真っ暗闇の中、出発することにした。気温はマイナス5度くらいだった。防寒対策はしていたから、寒さはほとんど感じなかった。ヘッドライトで道を照らしながら、真っ暗な山の中を歩くのは非日常的で僕は好きだ。前日の夜に、管理人さんに、「明日は何時に出るんですか」と聞かれ、「5時には出ようと思います。ヘッドライトをつけて歩くのが好きなんです」と答えると、「変態ですね」と言われた。
途中から、雪が降ってきた。真っ暗闇で、雪が降る山の中、たった一人で歩いている。この非日常感がたまらなかった。