日常日記

店長の日常

永遠のテーマ

昨日がコンプリートだったこともあってか、昨日いらしていただいた女性会員さんに、「料金改定後、お客さんの出席率が上がったんじゃないですか?」と聞かれた。ぼくは、「う~ん。どうなんでしょう。前半は、そういう傾向が感じられたのですが、先日は5組のご予約で貸し切りでしたし、結局、あんまり変わらない印象があります」と答えた。

コンプリートは、お客さま同士の協力があって、初めて、達成されるような気がする。ご予約を入れたけれど、ご都合がつかなかった方はカレンダーからお名前を削除し、ご予約を入れた方はご来店される。これは当たり前のことのように思うけど、当たり前ではないということをエイジャの営業を通して知った。(ご都合がつかなくなったのに削除されなかった方を責めているわけでは、まったくありません。ご予約いただけるだけでも、とてもありがたいことです。)

エイジャには「コンプリート論争」というのがある。それは何かというと、「エイジャはコンプリートを目指すべきか否か」ということである。毎日、コンプリートになることがお客さまにとって必ずよいことだったとしたら、もちろん、コンプリートを目指すべきだと思うけど、ことはそう単純ではないような気がしている。

「予約カレンダー”上げ底弁当”効果」というものがある。エイジャが、夜の部も含めて完全予約制にしたのは、10数年前のことになるのだけど、それ以来、予約カレンダーの予約数は、実際のご来店数よりも、多くなった。つまり、見た目は華やかなのだけど、実際は、見た目ほどではない。でも、だからこそ、お客さまが来てくれるという側面もあるような気がする。ご予約数の半分以下の方しかご来店されないことは、エイジャではそれほど珍しいことではなかったりする。もしも、ご予約を入れたけれどカレンダーからお名前を削除しなかった方が、全員、律儀に削除されたとする。その場合、「今日はご予約が少ないから、行くのはやめよう」と考えるお客さまも、出てくるかもしれないし、初めて、エイジャのHPを見た人が、「このお店はお客さん少ないな」ということで、ご来店されない可能性もある。そうなると、どんどんお客さまは少なくなり、エイジャは潰れ、わたしが路頭に迷うことになる、エイジャのことを好んでくださっているお客さまがエイジャ遊びを楽しめなくなるということも起こるかもしれない。だから、見た目の華やかさはとても大切、これが、「予約カレンダー上げ底弁当効果」と言われるものである。

でも、実際の上げ底弁当は、買った人をがっかりさせたり、憤慨させることのほうが多いように思うけど、エイジャの場合は、必ずしも、そうとは限らなかったりする(もちろん、がっくりさせてしまうこともある。ただ、面と向かって憤慨される方はいらっしゃらない。ありがたいことである)。わたしが、お客さまに、「今日は予約数のわりにはヒマになっちゃいましたね」と、申し訳なさげに言うと、「あ、でも、楽しかったんで、良かったです」と言われることも、よくある。量の多さ=楽しみの多さ、とは限らないというのが、カップル喫茶遊びの特徴だったりする。お客さまの人数が少ないからこそ享受できる楽しみもある。かといって、必ず、量の少なさ=楽しみの多さ、というわけでも、もちろんない。何よりも大事なのは、カップルさん同士の相性だと思う。ただこれは、「めぐり合わせ」というものだから、確実に保証されるものではない。というか、ご予約が伸びるかどうかも不確実、実際のご来店数も不確実、相性のよいカップルさんに出会えるかも不確実、というように、何から何まで不確実なのが、カップル喫茶遊びの特徴なのである。

話がなんだかずれてしまった。テーマは、エイジャはコンプリートを目指すべきか否かという、エイジャにとっての永遠のテーマともいえる「コンプリート論争」である。コンプリートを目指すべきとされる人は、そのほうが安心して遊びに来れるということだと思う。実際、「エイジャの予約カレンダーは信用ならんから、行くのはやめた」という方も、ぼくには直接言わないまでも、いらっしゃるのではないかと思う。だから、コンプリートを目指したほうが、お客さまも増えるということもあり得るのかもしれない。ただ、前述したように、常にコンプリートだと、予約カレンダーの華やかさがなくなるという可能性も十分あり得るように思う。それに、常にコンプリートを目指すとなると、ご予約を入れたのにそのまま来られなかった方にご注意を申し上げなければならず、それはなんだか窮屈な感じもするし、そうなると、おいそれと気楽にご予約を入れることができなくなり、ご予約がなかなか伸びず、結果、ご来店数も減り、わたしが生活に困る、お客さまの満足度も減るという可能性もあるかもしれない。それに、コンプリートだからといって、必ず、盛り上がって楽しいというわけでもない。だから、コンプリートを目指すことに、それほど大きな意味はないような気もする。

というわけで、エイジャはコンプリートを目指すようなことはしていないのだけど、でも、コンプリートの日は、皆さんの呼吸が一致したようで、なんだかうれしく感じるし、その日はお客さまの満足度も高くなる傾向がしないでもない。だったら、やっぱり、コンプリートを目指すべきなのか?

10数年経っても、いまだに答えはでていない。