日常日記

店長の日常

神々の沈黙

現在、図書館で借りて読んでいる本。

 

 

この本は10年前に買い、読みながら、強い興奮を覚えた本。とはいえ、途中まで読んだところで、置き場に困って(フロントの中は狭いんです)、結局、売ってしまったんですよね。

 

でも、また読みたくなって、図書館で予約したのですが、人気のある本で、5か月待って、ようやく手元に来ました。

この本を知っている人はあまりいないとは思いますが、「BRUTUS」の「村上春樹特集」では、村上春樹が選ぶ51冊の本の中の一冊として、紹介されていたりします。

 

 

BRUTUSで、村上春樹は、「神々の沈黙」について、こんなふうに紹介しています。

 

創作を志す人たちにとっては、多くの示唆に富んだ書物であると思う。

 

人類は長い間「意識」というものを持たずに生きてきた、というのがジェインズの主な主張だ。人類の歴史を振り返れば、いわゆる「意識」が生まれたのは、わずか3000年ほど前のことにすぎない。それ以前の人間は右脳で神の声を聞いて、それを頼りに行動してきた。つまり自己というものを持たなかったわけだ。しかし人々が農耕社会に定着し、文明を築き、文字を得て、その結果意識を身につけたとき、神の声はもう聞こえなくなってしまう。人類にとって、どちらの状態が本当に幸福だったのだろう?

とても大胆な仮説だが、読み進んでいくうちに、その広大な世界観の中にずるずると引きずり込まれていく。多くの考証、例証を並べた、とても説得力のある本だ。創作を志す(つまり天の声を聞こうとする)人たちにとっては、多くの示唆に富んだ書物であると思う。

 

村上春樹は、創作を志している人に役に立つと言っているけれど、現在はAIの技術が急速に発展しており、近い将来、AIが意識を持つようになるということも言われ始めているので、興味がある人は、読んでみるのも面白いかもしれません。

 

AIに意識は生まれるか

AIに意識は生まれるか

Amazon