日常日記

店長の日常

源氏物語とカップル喫茶

島内景二さんの「源氏物語ものがたり」が面白すぎるのであります。

わたしは長い間、

「どうして、自分はカップル喫茶なんていう商売に携わることになったのだろう?」

「しかも、どうして、長いこと営業できているんだろう?」

そんなことを思ってきたのですが、

もしかしたら、その答えは、「源氏物語」にあるのではないだろうか?と思ってしまいました。

 

「源氏物語」を読み解くことは、この世界、この宇宙の謎を読み解くことであり、

この宇宙の謎を読み解き、平和な世の中を築くことは、時空を超えた全人類の総力戦なのではないかと思いました。時代や地域を超え、全人類が一丸となって宇宙の謎を解くのであります。

 

「源氏物語ものがたり」によりますと、明治以降の源氏物語研究は、比較文学・神話学・構造主義・深層心理学・文化人類学といった、その時々の最先端の思想の輸入によって、試みられてきたのだそうです。

このような「近代の試行錯誤」を整理することによって、天才「本居宣長」でさえも解明できなかったことが見えてくるかもしれないとのこと。

 

島内景二さんは言います。

 

「このように考えてくると、源氏物語を読むことの最終目標がはっきりしてくる。千年前に書かれた物語は、現代人の心を揺さぶり、人間観と世界認識を変える力を、今なお持っている。この物語を読むことで、読者の人生は大きく変わる。その力の根源に迫ること、それが源氏物語を愛する者のめざすべき目的である」

 

なんて素晴らしいことを言うんだろうと感動してしまいました。

 

また、島内さんいわく、

 

源氏物語は、ある意味で夏目漱石の「吾輩は猫である」と似ている。どちらにも、「議論小説」の趣がある。偶然か必然かは分からないけれども、漱石は源氏物語の「批評的側面」を近代に復活させたのである。(略) 。

源氏物語は、読者を詩人にしたり、哲学者にしたり、批評家にしたりする。

人間とは何か。文明とは何か。世界とは何か。その解答を模索する誠実な読者が、世界各地で源氏物語を読んでいる。むろん、源氏物語を生んだ国である日本においても。

 

とのことです。

 

思えば、わたしが島内景二さんに興味を持ったのも、「文豪ナビ 夏目漱石」にあった「評伝 夏目漱石」を読んだからでした。島内さんが書いた、この評伝にすごく感動してしまったんですよね。

 

わたしが、エイジャの営業を通して考えているのは、「人間とは何か。文明とは何か。世界とは何か」ということであり、「カップル喫茶」というビジネスはそのことを考えるのに、うってつけの題材のような気がしているのでした。