日常日記

店長の日常

9時50分に起きる。オープンまで10分しかなく、びっくりした。急いで準備をし、オープンした。前日に大体の準備を終わらせておいたおかげで、間に合った。

午後になり、我が「結婚論」を書くきっかけとなったTさんから、メールがあった。

 

素晴らしい作品にしあがりましたね。

男女のひきこもごもを

見届けた作者の揺れ動く感情が上手く表現されていました。

次回作も楽しみにしています。

 

ということであった。

正直、「ここまで書いちゃって、本当に大丈夫なのかな?」とハラハラしていたところもあったので、メールをいただけて安心した。Tさんとは、またの名を「TKさん」といい、「旧日常日記」では、たびたびご登場いただいている、この21年の間に、ぼくがもっとも頻繁に飲み、会話を交わしたのが、Tさんなのであった。エイジャの現役期間は数年と、正直、それほど長くはないのだけど、現役時代は大活躍してくれ、エイジャの夜の部のリードオフマンとして、雰囲気を牽引してくれた。まるで、数年の間、日本球界で暴れまわったあげく、あっさりと本国アメリカに帰っていったメジャーリーガーのようであった。とはいえ、そのあとも、Tさんとの個人的関係は続き、2009年後半から2010年は、コーチとしてエイジャに戻ってきてくれた。そう、ぼくの右腕として働いてくれたのだ。「あさわけ」は、現在のエイジャにとって無くてはならない存在であり、というか、無かったら、エイジャは潰れてしまうかもしれないほどの重要性を持っているのだけど、その「あさわけ」の基礎を築いてくれたのが、何を隠そう、Tさんなのであった。Tさんに手伝ってもらっていた1年ちょっとの間は、隔週で月曜日~金曜日まで「あさわけ」営業をしていたのだ。しかも、当時は朝9時オープンであった。Tさんに、「マスター、月曜日から金曜日まで隔週で、9時からオープンさせてもらえませんか?」と言われたとき、ぼくは、「別に良いですけど、毎日午前中からそんなにお客さんは入らないと思いますよ」と答えた。でも、蓋を開けてみれば、「ひるわけ」以上の活況を呈し、ぼくはびっくりした。Tさんの目の付け所の鋭さはさすがであった。ほんと、Tさんはじめ、多くの方のおかげで、ぼくはこうして、今もエイジャにいられる。

 

Tさんのメールには続きがあって、野坂昭如の「黒の舟歌」という曲の歌詞が書いてあった。

 

男と女の 間には

ふかくて暗い河がある
誰も渡れぬ河なれど
エンヤコラ今夜も舟を出す
R0W & ROW R0W & ROW
ふりかえるな R0W ROW

 

www.youtube.com

 

素晴らしい歌詞だと感動してしまった。じつは、我が「結婚論」は、男と女の間にある、誰も渡れないと言われる、深くて暗い河をどうすれば渡り切れるのか、そして、渡り切った暁には何が待っているのかということを書こうとしていたのだ。

ちなみに、ROWとは「漕ぐ」という意味で、この歌詞は、振り返らずに、漕いで漕いで漕ぎまくれということなのかなと思った。

 

ある意味、結婚というのは、川の流れとは逆方向に、二人で船を漕いでいくことなのかもしれないと思った。どちらかが漕ぐのをやめてしまったり、二人で漕いでいたしても息が合わなければ、すぐに、川下のほうに流されてしまう。